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【CP+ 2024】初出展のASUS ProArtシリーズに5年ぶりのYONGNUO、全天周カメラのKANDAOなど新進気鋭のメーカーが多かったCP+2024レポート


先日4日間にわたって開催されたカメラと写真映像のプレミアムショー「CP+ 2024」に訪問してきたのでレポート。メジャーなメーカーの出展内容はすでに多くのメディアで取り上げられているので、本記事ではなかなかスポットライトの当たらないメーカー、特に中国系のメーカーを中心に出展内容をレポートします。

今回ご紹介するメーカーは以下の通り
・ASUS(初出展):ProArtシリーズ(ミニLEDディスプレイやCore Ultra 7搭載のNUC)
・YONGNUO:マイクロフォーサーズ対応のWEBカメラYN433など
・KANDAO(初出展):8K/30fps撮影対応の全天周カメラQooCam 3 Ultraなど
・2ndFocus:AstrHoriのレンズなど


初出展のASUSからはクリエイター向けのProArtシリーズを展示



中国メーカーでも何でもないものの、個人的に気になったのがASUS。気になったのも当然で、ASUSはCP+には今回が初出展。ただのPC・スマートフォンメーカーと思ったら大間違いで、ASUSではProArtシリーズというクリエイター向けのPC、ディスプレイのラインナップを擁しておりProArtシリーズだけで映像制作や写真制作のプロフェッショナルにとって必要なものを一通り揃えられるようになっています。



出展内容で気になったのが、世界初のピーク輝度1,000nitsを実現したミニLEDバックライト搭載の27インチモニター、ASUS ProArt PA27UCXとノートPCのASUS Vivobook Pro 16 K6602VV。2製品合わせて約40万円というハードな価格設定ですが、実際に触ってみるとその性能の高さに納得させられるものでした。



まずはディスプレイのASUS ProArt PA27UCX-Kから。色彩のプロフェッショナル、デザイナー、写真家向けに設計されたという本製品は4K(3840×2160)の27インチディスプレイ。576ものローカルディミングゾーンを実現したミニLEDバックライトを採用したことで他のディスプレイを圧倒する高いコントラストを実現したというもの。sRGBカバー率は100%、Adobe RGBも99.5%という色表現の広さが魅力的な製品です。

また、例えばオフィスなどでの仕様時に複数人でディスプレイを見るという場合、ミニLEDディスプレイは視野角が狭く正確な色把握が困難になる、という問題にも本製品は対処。ASUS OCO(Off-Axis Contrast Optimization)テクノロジーによって、画面を斜めに見たときに色が反射してしまうハロー効果を80%軽減出来るようになっているんだとか。

実際に会場ではLightroomが起動した状態で触れる様になっており、その色表現力の高さを実感。個人的に写真を現像するときには、あまりコントラスト比を強く描きすぎてしまうディスプレイは嫌でも、写真の中の色の違いをきちんと表現できるディスプレイが好きなのですが、ProArt PA27UCX-Kはその求めを十分カバーできる力を持った製品に感じます。


そそてPA27UCX-Kに接続されていたPCがASUS Vivobook Pro 16 K6602VV。16.0インチ(2560×1600)・120Hz駆動ディスプレイを搭載したノートPCで、CPUにはIntel Core i9-13900H(14コア・20スレッド)、GPUにはNVIDIA GeForce RTX4060 Laptopを搭載。もはやデスクトップPCも真っ青のスペックを実現。実際にCPU Monkeyではあーる家のデスクトップPCのCore i7-12700Fよりも一部ベンチマークでのスコアが上というもの。

CPUパワーの高さが重要になるのがAdobe Lightroomで複数のRAWファイルを一気に編集していく場面。枚数が多く、現像を急いでいるような際にはAdobe Senseiの自動編集機能を利用してから修正する、というような流れで行っておりCPUパワーが必要に。Vivobook Pro 16でタスクマネージャーを開きながら自動編集機能を使いながら現像してみましたが、レスポンスの悪化なくサクサク進めることができ、そのパワーの高さを実感しました。


余談ですがブースの担当者の方に私自身が画像編集をできるノートPCを探していること(参考記事)を伝えたところ、ASUS ProArt Studiobook Pro 16をおすすめされました。Core i9-13980HXプロセッサーにNVIDIA RTX3000 Ada Generation、64GB RAM、1TB SSD、3.2K (3200×2000) 120Hz・16インチディスプレイを搭載した最強モデル。値段も最強で499,800円。残念ながら私は大富豪ではないので購入はできないようでした...




      

もう一組展示されていたのは24インチ・WUXGA(1920×1200)のProArt Display PA24AC。こちらは解像度はPA27UCXに比べて低め、かつ、IPSパネル採用のため全体的な発色やコントラストは薄味。とはいえ、sRGBカバー率は100%、全台色精度をΔE<2を保証できるようキャリブレートされており、確かな色表現力を実現しています。

接続されていたPCはなんと小型PC(NUC)のASUS NUC 14 Pro。ASUSのNUC事業はIntelから昨年2023年に事業譲渡を受けており、新生ASUS NUCの中でも新進気鋭のモデル。CPUはIntel Core Ultra7/Ultra5/Core 3プロセッサを、グラフィックはIntel Arc GPU(Core 3モデルはIntel UHD)を採用し、RAMはDDR5-5600Mhzの最大48GB×2に対応した製品。

ASUS NUC 14 Proでもタスクマネージャーを表示させながらAdobe Lightroomの自動補正を利用してみましたが、NUCの限界は感じるものの一瞬のラグで自動補正が完了。このサイズの小型さでありながら画像編集でも使えるレベルの性能を確保しているというのは驚きのモデルでした。



中国・YONGNUOからはEマウントレンズと、小型WEBカメラYN433



2019年のCP+ではマイクロフォーサーズに対応していながら、スマートフォンと同レベルのAndroid OS、SoCを採用したYONGNUO YN450を出展していたYONGNUO。2020年以降は出展がなく、今回久々の出展となりました。一時期は日本市場向けのマーケティング施策などを抑え、中国回帰していましたが再上陸を目指していく様子。






YONGNUOは中国メーカーのレンズとしては珍しく各社のマウントでのオートフォーカスに対応。このため、意外と交換レンズを購入していくという初・中級者にとっても使い勝手の良い製品を多くリリースしています。以前はCanonのEFマウントやNikonのFマウント製品が多かったものの、最近はミラーレス向けのマウント(SONY Eマウント、Canon RFマウント、Nikon Zfマウント)に注力しているとのこと。

今回会場に展示していたものでもSONYのEマウント向けの製品が多い印象でした。aあくまでも展示品レベルではありますが、ワイヤレス操作にも対応しているという噂のYN11mm F1.8S DA DSM WL(説明板にはワイヤレス操作についての記載なし)なども展示。


YONGNUOの製品の品質は、2019年の段階でもすでに高く、当ブログでも名作と評している14mm超広角・YN14mm F2.8や、コントラストの高い写真を撮影できる85mmレンズ・YN85mm F1.8Nなどが印象的。その後もレンズの品質を中国で高めてきているYONGNUOの最新レンズに期待したいところ。





すでに日本でも販売中の製品で、ひと際目立っていたのがWEBカメラ・YONGNUO YN433。YN450、YN455といったスマートフォンにレンズマウントを取り付けたものではなく、USBで接続することで手持ちのレンズを超高画質に利用できるというもの。WEB会議やセミナーを行う際にとりあえずPCに映像を送れれば良い、というニーズにぴったり答える製品という感じ。

YONGNUO YN433マニュアルより

マウントはマイクロフォーサーズに対応し、最大4K@24fps、1080p@30fpsの映像伝送に対応。出力はUSB Type-Cで映像を送ることもHDMIに送出することも対応しているというもの。なお、会場では見れなかったものの本体はAndroid 10が搭載されており専用アプリをインストールしたスマートフォンと有線接続することで利用できるとか。




会場では、YONGNUO YN433をUSB 3.0でWindows PCに接続しOBS Studioを利用してストリーミング。通常は、こういったストリーミング配信の際にはスマートフォンや、一眼レフカメラを駆使して行う事が多いものの、機能を最小限に絞ったYN433の利便性の高さは魅力的かもしれません。WEBでセミナーなどを多く行う方は見てみても良いかも。


      

以前当ブログはYONGNUOの本社を訪問したり、製品の提供を受けたりして連携していましたが、残念ながら当時の日本市場向け展開の縮小によってコネクションはなくなってしまっていました。ただ、今後ミラーレス向けに製品展開を進めていく、とのことで今後のYONGNUOの展開には期待したいところです。

8K/30fpsの360°動画撮影に対応したKANDAO QooCam3 Ultra



最近あまり話題を聞くことがなくなっていた360°カメラ。Insta360の一人勝ちとも思われるこのジャンルに超高スペックで殴り込みをかけているのが深圳発のKANDAO。2024年中に発売を予定している8K全天周カメラ「QooCam 3 Ultra」を始めとする高性能な360°カメラを引っ提げて初出展。


     

      

出展されていたメインのセインはKANDAO QooCam 3 Ultra。8K/30fpsの360°動画の撮影に対応し従来の全天球カメラを大きく上回る解像度の高さを実現した製品。撮影可能な映像は8K@30fps、5.7K@60fps、4K@120fpsと多彩。静止画は9,600万画素で撮影できることで全天球カメラにありがちなぼやっとした写真を避けられるのも嬉しいポイントです。

動画撮影時の表現力を高めるため、10bit HLGでの映像記録にも対応。ジンバルなしでも滑らかな映像撮影を可能とする手ブレ補正機能もカメラ内で実現しています。そういった性能の高さを実現しつつ連続撮影時間を確保できるよう冷却ファンを搭載し、夏場の撮影でも安心して利用が可能に。防水性能も確保することでレジャーでも安心して利用できるんだとか。


会場では、実際に社員自らが春節などの際に撮影したリアルな写真を展示。誰でも簡単にきれいな全天球写真を撮影できること、そして、全天球カメラなのに高い解像度、かつ、鮮やかな色で写真が撮れることをアピールしていました。スタッフの方いわく、価格はそれなりに高め。QooCam 3が5万円台のため、それより高めになる予想でした。


すでに発売中のQooCam 3についてもブースで展示。Ultraに比べると動画撮影時の画素数が5.7Kまでだったり、静止画も6,200万画素まで、色については8bitまでというところが異なる感じ。こちらも防水性能や、0℃から40℃の高温下まで利用できる高い適応性を実現したモデルで、十分楽しめるモデルに仕上がっています。


2ndFocusブースではAstrHoriのペリスコープレンズなどを展示



輸入レンズを多く手掛ける2ndFocusも出展。2024年2月に正規代理店契約を結んだばかりの中国・深圳のAstrHoriブランドのレンズをメインで展示。正規代理店契約時の最初のリリースは、「50mm F2.0」、「12mm F2.8 Fisheye」、「50mm F1.4 Tilt」、「85mm f2.8 Macro Tilt」、「40mm F5.6」の合計5本のようですが、今後投入を予定しているレンズなどを多く展示していました。



特に異彩を放っていたのがペリスコープレンズ。展示ブースでも18mm F8.0 Macroなどの実演を行っており、小さなビー玉に向けてかっちりピントを合わせつつ、幻想的な光景を撮影してくれていました。また、Tiltレンズの50mm F1.4 Tiltなども展示。レンズを最大15°まで傾けたり、360°回転させることで様々な被写体に対して自由な構図を実現。ミニチュア風写真を簡単に実現できるのも魅力的です。


時代の主役はミラーレスに。Nikon Fマウント使いには肩身が狭いかも




私自身2019年ぶり、今回紹介したメーカーも5年ぶりのYONGNUO、初出展のASUS、KANDAOなどカメラを取り巻くメーカーも新規参入が増えてきた印象。レンズメーカーもいくつか話を聞いてみたところ、「Nikon Fマウントってなんですか...?」という反応をされてしまうこともあるくらいに時代はミラーレスに。

2018年にNikon D750を購入してから複数本のレンズを買ってカメラライフを楽しんでいる身からすると、まだまだFマウントレンズを購入したいものの、中国メーカーがFマウントを出さなくなってしまうと楽しみが半減に。色んなメーカーがCP+を目指してくれるのは嬉しく思いつつも、Fマウント使いには肩身が狭くなってしまった、そんなCP+でした。


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