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【雑感】クラウドファンディングも無差別職域接種もクソくらえ。他人の褌で相撲を取り、善意につけ込むフリーライダーが増えた現状に違和感を感じる


2021年も半分が過ぎてもう下半期。当ブログでも振り返り記事として2021年上半期のベストガジェット特集を実施し、ロボット掃除機っていいよね!なんて平和な記事を書いていました。そんな2021年7月、人類が新型コロナウイルスの脅威と直面してもう1年半。日本国内に目を向けると新型コロナのワクチン接種が進み、弱冠25歳の私も接種券を手にし自治体の接種の予約も取れているような状況です。

さて、そんなコロナウイルスに関しても、日本全体が集中豪雨に見舞われて静岡県熱海市では土石流による甚大な被害が発生し今もなお救助活動が続けられている、という風に苦難が続いている中、あろうことか自身の利益確保に走る企業や人が増えています。昨年、クラウドファンディングなんてクソくらえ!という記事を書きましたが、現状は全く改善しない、どころかより巧妙化。今回はそんな現状について記事を書いていきます。


「社会起業」とか無理。人の善意に漬け込むのがクラウドファンディング



個人的な話をすると、以前とあるベンチャー企業のインターンに参加していました。そこでは、社会に役に立つことをビジネスとして展開することを目標とした理念を掲げて、数人の社員は本気で「社会起業家」という存在を知って目指した方もいました。しかし、結局収益化できなかった事業は解散。ただただ事業展開を行った場所に迷惑をかけて終わりました。

それから数年、社会問題に対して取り組むボランティアや、活動は増えてきました。その中で資金調達方法として単純な募金からインターネットを利用したクラウドファンディングを行っていく事例も増え、様々なサービスが立ち上がり実績をあげてきました。

ただ、ここで問題提起をしなければなりません。結局、その社会貢献によって一番得をしているのは誰なのか、を。




上の3つは国内でも有名なクラウドファンディングサイト。上からCAMPFIRE、GREEN FUNDING、GoodMorning(CAMPFIRE)。CAMPFIREとGREEN FUNDINGは手数料率20%。社会問題解決に参加をすることを謳ったGoodMorningは9%です。あなたがインターネット上で良いなと思ったクラウドファンディングプロジェクト、誰かの夢の応援だろうと、商品の「応援購入」だろうと、核兵器根絶の募金だろうと、20%もの手数料をクラウドファンディングサイトが回収しています。

中小企業庁:https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/chousa/basic_data/index.html

ちなみに中小企業全体の売上高経常利益率は3.6%。技術サービス業ですら13.6%という世の中で、20%もの手数料をクラウドファンディングサイトは回収しているのです。GoodMorningは総支援額26億円と公表していますが、そのうちの9%を手に入れたプラットフォームは集まった支援の26億円のうち2億円以上を手数料、つまり粗利として確保しているのです。


最近のクラウドファンディングに関するトピックスとして挙げるなら、歌手・女優の上白石萌音さんが始めた熱海市・大雨土砂災害緊急支援プロジェクト。多くのニュースサイトで話題となり、また他の芸能人でも賛同して参加する人が出て、開始から3日弱で既に700万円以上の資金を集めました。

なお、本件に関してはGREEN FUNDINGに問い合わせたところ、手数料に関しては特別扱いを行うとのこと。詳細に関しては、最終的な収支報告で明らかにするとのことですが、決済手数料等の経費以外に関してはGREEN FUNDING側では徴収するわけではなさそうで安心。小口支援という形では、新たな形として考えてもよいのかもしれません。

粗悪なクラウドファンディングが増える理由とは。少しでも売上を伸ばす必要があるため



クラウドファンディングサイト、特に国内のクラウドファンディングでは中国の製品をそのまま日本に輸入している"だけ"の事例が目立ち、粗悪なクラウドファンディングが量産されていると指摘したのは昨年の記事の通り。なぜ、このようなクラウドファンディングが増えてしまうのか、それはクラウドファンディングサイトの収益構造に求めることが可能です。


昨年から変わったこととして、クラウドファンディングサイトがメディアとコラボしてPR記事を量産するようになったこと。上白石萌音さんの熱海市支援クラウドファンディングが利用したGREEN FUNDINGはEngadget Japan、社会貢献プロジェクトの手数料が「業界最低水準」の9%のGoodMorning運営元のCAMPFIREはギズモード・ライフハッカー ジャパンと連携し、提灯記事を量産しています。当ブログのPVがだだ下がりのように、ガジェットの大衆化によって専門媒体を取り巻く環境も厳しさを増す中、少しでも広告費収入を上げたいメディアがその良心を捨てて粗悪なクラウドファンディングの片棒を担ぐようになりました。



そしてクラウドファンディングサイトの収益構造にもこの一因があります。よく見かけるクラウドファンディングサイトのCAMPFIRE、Makuake、GREEN FUNDINGのうちMakuakeは単体で上場しており、当社の損益計算書を読み解くと何に金がかかっているのかわかりやすくなっています。

2020年9月期のMakuake有価証券報告書によると、大幅増収増益だった当期は売上のうち66%が販売管理費に使われています。販管費2,146Mのうち40%にあたる861Mが広告宣伝費。また、売上原価の経費のうち388Mも広告宣伝費で、合計12億4900万円が広告宣伝費に費やされているのです。売上は32億ですから実に約40%が広告宣伝費。決算資料ではテレビCM等に多くの費用を応じた旨の記載があったため、大部分はマスメディア向けに支払われたものと想定できます。

広告宣伝費は経費であり、また当社の貸借対照表に載るような資産になるわけでもない純粋な経費。これに売上の40%をじゃぶじゃぶ注ぎ込んでいたら、少しでも多くのクラウドファンディングを開催し、増収していかないと資金繰りが回らなくなってしまいますよね。だからこそ、クラウドファンディング各社は人員を投入し、どんな企画であっても見せ方を指南しながら開催していくのです。

他人の褌で商売を始める、PRを始めるフリーライダーが急増


コロナコール・魚拓より:https://megalodon.jp/2021-0603-2053-18/https://onidenwa.com:443/

新型コロナのワクチン接種の予約開始後は、予約を受け付ける側の自治体の人員不足もあり特に電話での予約受付回線がパンク。そんなときに、コロナコールというサービスを開始したのがむりどん氏(@sqm)。技術的な詳細については省きますが、複数の電話回線を利用し受電するまで発進を繰り返すサービスとしてローンチしたものの、「電話回線に対するDDoS攻撃」と批判を受けてサービス休止となりました。



コロナコールでは、利用者から費用を取るだけでなくコロナコールからの着信を拒否したい自治体も募り、各自治体から30,000円の支払いを要求するというもの。タダでさえ人員不足に困っている自治体から費用を取るという厚顔無恥ぶりには言葉を失ってしまった方は多いのではないでしょうか。

スマートニュース:無差別職域接種でワクチンを独り占め。コスト0でPRできて万歳



もう一つ話題となったのがニュースキュレーションサービスのスマートニュース株式会社による新型コロナウイルスワクチンの職域接種。従業員数250名の当社が職域接種を受けるために取った方法は取引先等に門戸を広げるのではなく、当社の本社所在地である渋谷区の昼間滞在人員に無差別に接種を行うというもの。これに関して、ちょうど申請数が供給量を大きく上回ったことで職域接種の受付が停止となったこともありネット上ではワクチンを結果として独り占めしたという意見と、悪いのは十分なワクチンを確保できていない国だという賛否両論となりました。


スマートニュースの職域接種の話題の中で論点となったのが、従業員数の20倍以上である5,000人という人数で申請し、取引先のメディア等ではなく周辺住民に対してワクチン接種を行うこととしたことの是非でした。この答えは厚生労働省の職域接種に関する資料から確認することが可能です。

まず、大前提として職域接種は予防接種法に基づく予防接種であり接種に対してかかった費用は同法に基づき実施した事業者に対して支払われます。実施する企業はワクチン接種に関する事務局設置を行う必要があったり、医療機関との調整が必要となるなどの手間はかかるものの人事部等で対応できるレベルのもの。大幅な持ち出しを必要とするものではありません
職域接種に関する Q&A(令和3年6月 23 日版)・https://www.mhlw.go.jp/content/000796969.pdf


職域接種におけるQ&Aを参照するとスマートニュースが行うこととした職域接種の近隣住民への接種について「慎重に検討」するよう記載があり、また、接種人数についても「しっかりとした接種計画」を立てるように記載しています。スマートニュースはおそらく、確実に接種人数を確保できると想定していた思いますが、上記のQ&Aを読むと当社の無差別職域接種は不適切だったと言えます。

なお、当社は渋谷区とワクチン接種に関しての協定を結んだことを発表していますが、このワクチン接種事業は国が主体となって行うもの。厚生労働省の「新型コロナウイルス感染症に係る予防接種の実施に関する手引き(3.2版)」には渋谷区のような地方自治体が職域接種について企業と協力して地域住民に対して接種をするとする記載はありません。渋谷区長は区のPRになると思ったのでしょうが、委任行為の権限を逸脱しており地方自治をまったく理解できていないレベルの低さが露呈しています。

そもそも従業員人数250人の小規模な企業であるスマートニュースが、また、事業の性質上在宅勤務などもやりやすいと考えられる当社の従業員が接客を要する企業などに対して速く接種を行う必要があるとは考えられない中、従業員人数を20倍に水増しして申請を行い国からワクチンを費用も含めて無償で奪い取るというのは言語道断です。

なお、はてな匿名ダイアリーには「叩かれるべきはスマートニュースではなく政府でしょ?」という記事がありましたが、この記事はミスリードにあふれています。河野大臣が地域住民への接種を推奨したと書いているのに対し、その発言(6月15日)の後に厚生労働省のQ&Aの更新がされており実際にはまったく推奨されていません。加えて、ソフトバンクグループの職域接種についても触れていますが、実際にスタートしたソフトバンクの職域接種は自社の従業員を対象にしたもの地域住民は対象にしていません。ただ、発言の報道を鵜呑みにするのではなく、一次情報を確認できていない、またはあえて無視した駄文にすぎません。


人の善意や公共財を自分の利益のために独占するフリーライダーを許すな


今回の記事で取り上げたのは、社会貢献に対して資金面で支援をすると謳いながら20%ないし9%もの手数料を集め、広告宣伝費につぎ込むクラウドファンディングサイトと、新型コロナワクチンの予約電話の回線を埋まらせ、さらに自治体から金を毟り取るコロナコール、最後は無償で提供され費用も国が負担する職域接種制度を乱用し、自社のPRにつなげたスマートニュースの3者でした。

どれも自社の利益のために人の善意や公共財を利用しようとする経済学でいう「フリーライダー」です。一見すると人のためになるように見えるものであっても、実際にはただのフリーライダーである例というのは多く、本事例のような例は無数に存在しています。そんな身勝手なものを許さず、また関わらないように消費者も意識していくことが必要なのではないでしょうか。



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